耳・鼻・のどの病気の診療と、それに関連する難聴、めまい、顔面神経麻痺、味覚・嗅覚障害、嚥下障害、睡眠時無呼吸症候群、補聴器装用の相談、など幅広い診療を行っています。
耳鼻咽喉科の範囲には、コミュニケーションに関わる聴力、基本的な社会生活を送るために必要な嚥下や発声、呼吸などの大事な機能があり、これらの障害は日常生活の質を大きく下げます。これらの症状にお困りの方は、ぜひご相談ください。
アレルギー性鼻炎の有病率は年々増加しており、近年では50%に近いと言われています。内服薬や点鼻薬で症状が改善する方もいますが、症状の強い方には、舌下免疫治療や手術治療を行うことができます。
スギもしくはハウスダストが原因のアレルギー性鼻炎の方が対象の舌下免疫治療を行っています。アレルギーの原因物質(アレルゲン)を薄めて、少量ずつ体内に吸収することで、アレルギーの症状を抑えていく治療法です。事前の準備、注意事項、適切な開始時期などがありますので、詳細は外来でご相談ください。
アレルギーが強く、鼻粘膜の肥大が原因で鼻がつまる場合には、粘膜下下鼻甲介骨切除術を行います。粘膜の中にある下鼻甲介軟骨を切除することで、下鼻甲介の体積が小さくなり、鼻つまりが改善します。鼻汁やくしゃみに対する効果が期待できる、後鼻神経切断術を同時に行うこともできます。
お薬を使用しても改善しない慢性副鼻腔炎や、鼻中隔(鼻の真ん中の仕切り)が曲がって鼻で息がしにくい場合、手術を行っています。近年では、内視鏡を使用する手術が主流であり、患部を拡大して手術操作を行う事で、良好な成績です。
鼓膜穿孔・慢性中耳炎の患者さんに、傷の治癒を促す薬剤(トラフェルミン、製剤名リティンパ)を用いて、日帰りで鼓膜穿孔閉鎖術を行っています。
高度な慢性中耳炎や手術後などの場合には、適応にならない場合があります。診察、聴力検査、画像検査を行い、可能かどうかを判断します。
飲み込む力(嚥下機能)が落ちると誤嚥を引き起こし、それによる肺炎になることがあります。細長いカメラ(ファイバー)を使って嚥下機能の検査(嚥下内視鏡検査)を行い、飲み込む力を調べます。また、誤嚥が原因で肺炎を起こした患者さんに、言語聴覚士の指導の下で、摂食・嚥下リハビリテーションを行っています。(主に入院の患者さんが対象です)
難聴によるコミュニケーションの障害は、生活に大きな影響があります。補聴器を装用することで、生活の質を上げることができるかもしれません。まずは、耳鼻咽喉科を受診していただき、聴力の測定、耳の中の診察(治療が必要な病気ではないことの確認)を行います。
また、高度の難聴の場合には、公的な補助を受給できる可能性があります。当科では認定補聴器専門店に協力いただき、月に2回補聴器外来を行っています。詳しくは、外来スタッフにご相談ください。
部長
澤井 尚樹
認定医・専門医等
所属学会等